バスの事故は多いのか?

運転士

バスは公共交通のため、事故は無い・・わけはありません。
実は結構多いですね。時折ニュースで流れるような大きな事故は少ないのですが、道路脇の電柱・ガードレールや民家などの構造物、一般車との接触事故は珍しくはありません。あれだけの大きさなので物理的に接触リスクは高くなります。しかし、事故原因を調べると多くの場合が「焦り」や「先急ぎ」が関係しています。
道路状況の影響が大きく遅延は避けられないと頭ではわかっていても、気持ちは焦るもの。少しでも早くという思いで注意が散漫に運転は雑になってきます。

先日、私の営業所で1日に3件の接触事故がありました。1つは交差点の右折時に対向車の切れ目を狙って前車にぴったりついて曲がったところ2台前の車が商業施設へ入るために減速したので前車もブレーキを踏んだところバスは停まり切れずに追突。対向車の切れ目を狙って前車との車間を取っていなかったのが原因なのですが、慌てて曲がらずに次の切れ目まで待てば避けられた事故。

2つ目は信号のない小さな交差点で右折するところへ、右側から乗用車が交差点内へ少し入ってきた。バスが曲がるには内輪差で苦しい位置に停まっていたので大きく外側へ膨れるように曲がったところ民家の屋根に接触。1つ目と同じく右からの乗用車を先に行かせて安全に曲がれるまで待てば避けられた。

3つ目、右折レーンがある大き目の交差点で直進しようとしたところ、前車が左折しようとしていたが横断歩道を渡る歩行者がいるため停車していたので、右折レーン側へ膨らんで前車を避けて交差点へ進入したところ、対向車線の右折車が進入してきて避けきれずに接触。これも前車が左折するまで待てば起らなかったと思われるケースです。

共通しているのは、早く行きたいといった心理があったであろうことです。
バス運転士は、常にダイヤ(時間)に追われているような状況なので焦りの心理は避けられませんが、対向車が行き過ぎるのを待つのにどのくらいの時間がかかるでしょうか?おそらく数秒~数十秒でしょう。しかし、事故になってしまえば、警察を呼んで事故処理をしてもらいますので比較にならない時間がかかってしまいます。冷静に考えればどちらが得策かはハッキリしています。
バス運転士に必要なスキルといっても過言ではないのが焦らない心です。

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